30歳を過ぎて自分のキャリアや将来を考えた時に、このままじゃダメだと感じたのでより高度な知識や経験が必要と考えた私は33歳で未経験ながらも回路設計を学ぶべく転職をしました。
30歳を過ぎてから未経験職種への転職で感じた事、良かった事、後悔したことを正直にお話しします。
はじめに|高卒・未経験・30代からの転職チャレンジ
高卒で30歳を過ぎてから未経験の業種への転職ができるのか。
仮にできたとして上手くいくのか。
そんな事を考えながら手探りで、自分なりの結論をだして新たなチャレンジをした転職活動について、何をどうやったのか。何を感じたのか。何を得て何を後悔しているのかをありのままお届けします。
転職前の私の経歴
私のこれまでの経歴は品質保証エンジニアなので、回路設計は未経験と言っても電子部品の評価や電子機器の解析はやった事があったので、まったく0からのスタートというわけではないですが、正直、回路設計業務って実際に何をやっているのかも良く分かっていない所からのスタートでした。
高校を卒業し大手企業へ就職
品質保証エンジニアとして電子部品の試験・評価や製品の評価・解析を約12年やっていました。
文字にするとちょっとかっこいいですが、実際はちょっと学べば誰にでもできる程度の仕事内容ですよ。
安定していて給料もそれなりにもらっていましたが、いろいろあって転職してしまいました。
初の転職で地元の中小企業へ行き失敗
29歳の時に人生初の転職をしました。
何社か選考を受けて内定をもらいましたが、地元の中小企業へ転職しハッキリ言って失敗しました。
中小企業だった事というよりも、嫌な上司にあたってしまったという事が大きいです。
中小企業でも良い人はたくさんいますし、大企業でもパワハラやセクハラをする人はいるので、こればかりはある程度は運にまかせる事になってしまうのでしょうがないと割り切っています。
そのときの詳細は別記事でまとめています。
回路設計業務を目指したきっかけと準備
これまでは品質エンジニアとして品質保証⇒品質管理と品質部署でのキャリアを培ってきましたが、また中小企業に行くと失敗するかも。という恐怖から、ある程度大きな企業に転職したいと考えました。
さらに、できればエンジニアとしてキャリアアップできれば申し分ないと思い、回路設計職も転職候補にいれました。
より深い知識と経験を積みたかった
高校で電気を学んでいた私は、1社目で品質保証エンジニアとして電子部品の解析や評価をしてきた事。
2社目で品質管理の業務(工場の管理業務がメインでエンジニアとしての仕事はほぼなかった)を行ってきて、やっぱり自分にはエンジニアが向いてると気が付いたことから、もっとしっかり知識と経験が積みたいと思いました。
やっぱり、人が作ったものを評価や解析するよりも自分であれこれ考えてものを作り上げる方が何倍も経験値を詰めるはずと考えたのですが、結論から言えばその考えは正解でした。
回路設計職へのあこがれ
やはりエンジニアとして設計職ってあこがれがありました。
基本的に設計職の人達って頭が良い人が多いし、それこそ学歴の高い人達が多い。というかそんな人たちばかりです。特に正社員は。
そして自分が考えた物が形になって、会社の商品として売られるわけですから、エンジニアにとってこれ以上に誇らしい事はないでしょう。
別に品質エンジニアが悪いと言っているわけではないですよ。品質は品質でメンタル削られるし、そもそも設計と品質では見据えているゴールが違うので、それはそれで大変な仕事です。
未経験でも回路設計のできる求人探し
そんなこんなで次の転職では品質エンジニアとしての復活or未経験の回路設計でキャリアアップを目論んで人生2度目の転職活動を開始。
まずは初転職時に利用していた求人サイトでどのな求人があるのかチェックする所からスタートしました。
実際の転職活動|高卒・未経験30代のリアル
実際に転職活動してみると、30代未経験ならではの困難がたくさんあったのでこれから同じように未経験で転職を考えている方の参考になると嬉しいです。
応募できる求人が少ない
そもそも設計職(私の場合は回路設計)って製造業の中でもヒエラルキートップクラスなので、学歴がないと厳しい。
大企業であればあるほど大卒、もしくは大学院卒以上が最低条件です。
別に誰もが知っている会社じゃなくても…と思っていても、それなりの会社であれば高専卒以上が求められます。
たまに学歴の記載がない企業もありますが、必須条件に回路設計業務の経験3年以上とかの記載があって、そもそも高卒・未経験では受けられる求人がほぼ無いというのが現実です。
応募した企業数と選考結果
まぁ30歳過ぎて、高卒・未経験で採用してくれる会社がたくさんあるとは最初から思っていないので、もともと品質エンジニアor回路設計で職探しをしていた私は、いくつかの企業の選考を受けました。
こちらの記事でも記載している受けた企業と選考一覧です。
企業 | 選考結果 | 理由、備考 |
地元にあった大企業のグループ会社A | 内定(辞退) | 給料がやや低かった |
地元にあった大企業のグループ会社B | 最終面接で求人取り消し | コロナによる経営状態からキャリア採用は全面的に凍結になった |
大手企業(職種違い) | 最終面接辞退 | コロナ感染者多発により1カ月以上たっても最終面接日が決まらなかった。 |
大手企業(類似職種) | 書類審査落ち | – |
地元の中小企業 | 内定(受諾) | 後述 |
他県の大企業(類似職種) | 書類審査落ち | – |
最終的には、やはりどうしても回路設計をやってみたくて派遣会社へ入社しました。
派遣会社に入ったときの詳細はこちらの体験記事にまとめてあります。
利用した転職サイト・エージェント
- リクナビNEXT
- bizreach
- doda
入社後のギャップと学び【リアルな感想】
未経験派遣として新たにスタートした私のキャリアですが、その時のことについてまとめます。
おそらく、業種が違っても未経験職種へ転職をする方は同じような苦労や学びがあると思うので参考にしてみてください。
最初は正直キツかった
そもそも新しい職場に行くこと自体がキツイ。
知らない人、知らない職場、転職先によっては知らない土地という事もあるでしょう。
緊張するし、気を遣うし居るだけで疲れます。
ましてや私は未経験で、本当に何も分からない状態で放り込まれたようなものなので、何をするにも1から10まで聞くなり調べたりしながら何とか業務をこなしていました。
帰ってからもその日の中で分からなかった単語や回路について毎日調べて勉強していました。
半年後には簡単な設計を任されるように
そんなこんなで毎日少しづつ勉強し、まわりの優しい人達にもいろいろ教えてもらいながら少しづつ回路設計のことも分かるようになり、職場にも少しなれてきた頃には簡単な設計業務をやらせてもらえるようになりました。
- 派生機種の設計(既存製品への機能追加のための回路追加)
- ディスコン(生産終了)部品の代替品選定
- 新規機種の構想設計
派遣という不安要素はあったものの、業務内容や人間関係は良好でそれなりに楽しかったです。
やっぱり、未経験だからと中小・零細企業に行くよりも、派遣でも大企業へ行って良い環境で沢山のノウハウを学ばせてもらう方が良いのではないか。と考えた私の選択は正しかったと思っています。
年収・生活・働き方はどう変わったか
転職前 | 転職後 | |
年収 | 680万円 | 550万円 |
生活 | 年収的にはそれなりの生活がおくれたが、常に仕事をしていた | 少し生活に余裕は無くなった けどボーナスがない分、月収が上がったのでそんなに困窮したわけでもなく、仕事とプライベートが完全に分けられた |
働き方 | 日付が変わる頃に帰宅することが頻繁にある。 帰れない日も毎月何日かある | ほぼ毎日定時で帰宅 たまに残業や休日出勤(年に1~2回)があるが、プライベートは充分確保できた |
その他 | パワハラあり 無茶ぶりの仕事が多い 主に1人で責任を負って仕事をしなければいけない | パワハラなし 出来るレベルの仕事をくれる 皆で相談しながら仕事をして、責任は上司が取ってくれる |
転職してよかったこと・後悔したこと
個人的には転職した事に概ね満足していましたが、やっぱり未経験ならではの後悔した事というか現実は甘くないよな。と思ったことや派遣という業務形態に不安はありました。
まとめるとこんな感じです。
転職してよかったこと
- やりたい事がやれて充実感がある
- 知らない事ばかりで新しい事を覚えるのが楽しい
- 着実に成長してるという実感が持てた
転職して後悔したこと
- 年収が下がった
- 派遣なので将来が不安
- 同じく派遣なので帰属意識が低い
- 周りの人のレベルが高過ぎてついていくのがやっと
- 同年代の人はすでに10年~設計業務をしているのでこのまま続けても追いつける気がしない
後悔したことについては最初からある程度は分かっていた想定の範囲内だったので、そこまで真剣に悩んでいたというわけでもないです。
これから挑戦する人へのアドバイス
未経験で回路設計に転職してみた経験や感じた事をまとめつつ、悩んでいる方へのアドバイスをまとめるとこんな感じです。
- 自分のやりたい事を仕事にするのが一番楽しいと感じた。
- プライベートで勉強するのもあまり苦にならない。
- モチベーションを高く維持できるので、会社に行きたくない。とか思わなくなる。
- 自分には無理かも…と思っても、やってみたら意外に何とかなる事の方が多い。
- もちろん辛いことが無かった訳じゃない。でも、やらない後悔よりもやって後悔した方が良い。
- 仮に本当にダメで諦めてしまっても、それが分かっただけでも学びや成長に繋がる。
- 少なくとも私はこのタイミングで回路設計職についていなければ、今後の人生でも「あの頃ならまだ設計に挑戦できたかもな…」と一生後悔していたと思う。
- 何事にもチャレンジしてみる事がマジで大切!
まとめ|高卒30代から未経験で回路設計へ。人生は変えられる
私のような高卒、中小企業勤務からでも手段をえらばなければやりたい仕事ができます。
そしてそれは自分のキャリアに大きな進展と、輝かしい未来を与えてくれました。
2度目の転職の時に回路設計職にチャレンジしていなければ、今また大企業で正社員として働く事はできていなかったかもしれません。
この記事を読んでくれている方は、おそらく未経験の職種への転職に躊躇している人だと思います。
リスクを取らない事は大切なので、諦めるという選択も正解だと思います。でも挑戦してみないと分からないというのも事実なので、どうすれば自分が一番後悔しないか。で決めたら良いと思います。
私も当時すでに妻と子供がいたのですごく悩みましたが、結果的には挑戦したおかげで今のキャリアとポジションがあるので。
困っている方、何か相談したい事がある方はコメントでも問い合わせでも連絡いただければ可能な限り相談にのります。
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